Guten Morgen India.

いいんじゃない。いいんじゃないの。

【忘備録】生物の群集構造の解析の為に統計解析ソフトのRでNMDSを行う話

最近は、先輩や助教先生の調査に同行したりしていてなかなか忙しい日々を送っています。

その限られた時間の中でも着々と修論を書いております。しかしながら、我々生態学者にとって関門であるのはどのような統計解析を用いるかという事。

そこで、今回は、非計量多次元尺度法(NMDS)を用いた解析をコード付きでご紹介します。(ほとんど自分のメモ代わりなので、あくまでも参考程度になさってください)

 

1.NMDSとは

お互いに類似した点同士は近く、類似していない点同士は遠くなるように、群集データを2次元平面上に、”生態学的に最適”とされているBray-Curtis指数に基づいて座標付けをし、類似度を比較する検定です。

群集構造が近いものは近く、遠いものは遠いように2次元の座標にプロットされます。

NMDSだけではなく、PERMANOVA検定なども併せて行います。この解析を行うと以下のような図を表示することが可能です。

 

2.どういった場面で使うの?

 ・「場所」や「種類」といった数値化が難しい”要因”の違いと群集の類似度の関係を見たい時

 

 

3.データセットの作成

・群集データ

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左端には調査地名・最上部には種名・そして、出現頻度を入力します。 

 

・環境データ

 今回は用いません。また追記で別の解析を行うときに用いますので、今後の更新をお待ちください。

 

4.コードとその意味

①:群集データを読み込みます 


com = read.csv=("community.csv", row.names=1)

②:群集データを読み込みます 


group = read.csv(“group.csv”, row.names=1)

③:群集データを行列データに変換


com.hel = decostand(com. “hell”)

 ここで、群集データをヘリンガー距離に変換します。 

④:NMDSの実行


mds = metaMDS(com.hel, distance =”bray”, k=2, trymax=100)

 mdsというのはcom.helをBray-Curtis 指数を用いて100回計算したものを2次元で表現したものです。

④:結果を2次元に投影


plot(mds)

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このような結果になりました。では、この図に調査地を入力してみましょう。


text(mds,display = “site”)	

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 調査地が図表の中に表示されました。

 

※今後もどんどん追加していこうと思います。質問等がございましたらコメントにて承ります。

 

知多半島を横断する路線バスに乗ってきた話「常滑から半田へ」

今年の夏休みに知多半島にふらっと行ってきました。

 

 

 

1.知多半島とはどこ?

今回の物語の始まりは常滑知多半島の真ん中より南にある町。

因みに、知多半島は愛知県のn南側にある二つの半島の内、西側に位置する半島。

2005年に新規開業した中部国際空港セントレア)があり、海産物(大アサリ・タコ・フグ)や常滑焼、ミツカンお酢、ミカン、温泉などが有名な半島。愛知県の中では温暖な気候。

2.旅の始まり常滑

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金山駅から名鉄名古屋鉄道)で25分程度で到着。

常滑常滑焼の街として有名で、古くからの街並みの中に窯の煙突がある素敵な街並みが広がっています。

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バスの出発時間まで時間があるので、旧常滑街道をぶらぶら

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たくさんの工房があり、素敵な陶器も売っていました。

 

3.知多半島横断バスに乗る

14時10分ごろ、常滑市民病院のバス停に到着。

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今回乗るのは【知多バス 半田・常滑線】と呼ばれ、知多半島をまっすぐ横断するバス。

 バス会社は知多バスと呼ばれる名鉄グループのローカルバス会社

知多乗合株式会社ホームページ

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常滑市民病院~知多半田駅は1時間5分、りんくうタウン駅知多半田駅は50分、常滑駅知多半田駅は40分と高速道路や有料道路を使わない一般的な路線バスにしては”比較的”長時間走行するバスです。

その為、車内は疲れにくい座席になってます。

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 この知多半島横断バスは常滑市民病院を出発すると、まずは常滑駅に向かいます。

そして、常滑駅からりんくう常滑駅から再度、常滑駅に戻ります。

その後は知多半島を突っ切っていきます。

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知多半島は海沿いの部分こそにぎやかですが、内陸部は長閑な風景が広がります。

乳牛の飼育やブロイラーの飼育がかなり盛んで、名古屋コーチンと呼ばれるものも知多半島で多く飼育されています。

 常滑駅を出発して65分、知多半田駅に到着しました。

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4.半田市内の赤レンガ倉庫を訪ねる

知多半田駅から徒歩15分ほどにある赤レンガ倉庫を訪れました。

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戦前は「カブトビール」と呼ばれる戦前の大手ビールメーカーの製造工場兼貯蔵庫となっていたこの建物、近年、改修され公開されています。

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内部ではカブトビールや半田赤レンガ建物に関する資料などを見る事ができる資料館があります。

さらに、レストランでは現代に復刻したカブトビールを飲むことができます。

今回は大正時代のカブトビールを復刻した「大正カブトビール」をいただきました。

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1杯600円:味はモルトの味がしっかりしており、苦みも少なくなかなか美味しいビールでした。

因みに、ジブリ映画の「風立ちぬ」でもカブトビールの看板が登場しています。

 

カブトビールを堪能した後は7分程歩いて住吉町駅へ

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普通列車(通称:ダラ)でのんびりと帰りました。

f:id:ysrkotori:20181124001001j:plain豪華な普通列車

 

お疲れ様でした

 

 

柏・流山から都内まで時差Biz通勤(通学?)をしてみた話「つくばエキスプレス編(早朝)」

関東地方に来て一番の悩みが「満員電車」です。暑いし、苦しいし、怖いし、とてもじゃないけど耐えられる乗り物ではない。。その為、最近は如何にして「座って」移動できるかを考えて色々試しています。今回は8月に柏~本郷キャンパス間で時差Bizに参加してみました。

 

 

 

 

1.時差Bizとは

jisa-biz.tokyo

いつもより早く出て空いている電車に乗って、朝早く出勤しましょう。

朝早く出発して、朝活したり、早く来た分早く帰ろう。という個人的には気に入っているプロジェクトです。

 

2.時差Biz体験記

乗車区間

①:柏の葉キャンパス流山おおたかの森~【つくばエキスプレス(TX)】~新御徒町

つくばエキスプレスはどんなに混雑している時間でも秋葉原・八潮・守谷・つくばの始発駅であれば確実に座ることができます(15分前から並ぶが)

しかし、我々、柏の民が主に使う「柏の葉キャンパス」と「流山おおたかの森」を始発とする列車は設定されていないので、早朝に出発するか、遅く出発するしか着席通勤の選択肢はありません。

②:新御徒町~【都営大江戸線】~本郷三丁目

 

つくばエキスプレス時差Biz通勤の一環として通勤時間帯の列車の混雑状況をweb上に掲載しています。(2018年11月現在)

www.mir.co.jp

これを確認すると、流山おおたかの森を朝の06時12分に出発する普通列車ですら、座って通勤できるかどうかが怪しい。。

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出典:つくばエキスプレス

 

””確実に””座って通勤するためにはそれより速い列車に乗る必要があります。その為、自宅を朝の05時30分に出発し、流山おおたかの森駅に到着するように歩きます。

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5時40分、流山おおたかの森駅に到着。

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人はまばらです

【05時46分 流山おおたかの森駅発 快速】は既に人が立って座れなさそうなため、見送ります。

【05時52分 同駅 発 普通】は座席に座っている人もまばらで(6~7割ほど)、確実に座ることができました。

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この普通は5時57分・南流山では席は8割近く埋まり、6時3分・八潮では立ち客がで始めました。

そして、6時20分に新御徒町に到着。

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そこから、都営大江戸線に乗りました。

新御徒町 06時26分発 都庁前行き】

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ガラガラで発車

そのまま本郷三丁目に到着(6時30分)

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授業は8時50分から。2時間ほど時間があるので朝の6時30分から空いているモスバーガーで朝食と試験対策のお勉強をしていました。

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3.感想

8月は15日、柏と本郷を往復しましたが、その内8日は時差Biz通学で5時52分の普通列車で通学しました。

朝起きるのは苦ではなかったので、楽しかったけど、さすがに5日連続となると疲労がたまっていく感じがありました。なので、毎日というよりかは月・火・水は時差Biz、木・金は通常という風に普段の通勤の一部を時差Bizにするのがいいかなと感じました。

 

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八幡平山で調査をしてきた話3「岩手県側での調査」

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続きです。

3日目、今回向かうのは三ッ石山です。

 朝ご飯を済まして四駆で登山道を登っていきます。

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このような”ハードな”林道を通り抜けて、登山道まで向かいます。

そして、そこから徒歩で登山道を登っているとこの樹木が出現しました。

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ハイマツ(Pinus pumila)です。ここの標高は1000m、まだハイマツが出てくるには標高が低いと思われるのですが、風向きや積雪量の関係でこのように標高が低いのにハイマツ林などが出現する事があります。このような地帯を「偽高山帯」と呼んだりします。

ハイマツも先日のツルコケモモと同じく、氷河期遺存種です。

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三ッ石山荘に到着です。

山荘から山の頂上までは30分。

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溶岩ドーム?のような山頂

山頂へ向かう道に小さな露頭があり、そこで、十和田aのテフラ層(火山灰や火砕流などの堆積物の総称)を見る事ができました。

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 十和田湖は今でこそ湖ですが、過去に幾度も噴火を起こしています。その中でも十和田aは915年に起こった大噴火で、火砕流により周囲20kmが焼き払われたともいわれています。

山頂を超え、更に先にある”湿地B”を目指します。

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 そして、山頂からさらに30分、とうとう湿地Bに到着

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ここで調査を行い、更に湿地C・湿地Dでも調査を行います。

調査をする事3時間、更に下山に2時間。登山口に帰ってきたのは16時前でした。調査はこれにて終了です。

その後はジェラートを食べに行きました。

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最終日は、盛岡市内をちょこっと巡ります。続く!

八幡平山で調査をしてきた話2「秋田で調査の後に岩手へ」

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前回の続きです。

さて、この日も先日と同じ登山口から、今度は別の湿地に向かいます。

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後生掛温泉の登山口から、美しい紅葉を楽しみつつ登っていきます。

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途中で、ベニタケ属(Russula sp.)のキノコを発見(コベニタケ?)。ベニタケ属はブナ科やマツ科、カバノキ科などの樹木の根に外生菌根を形成し、共生しているキノコです。成熟した樹木に良く見られます。

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透き通った綺麗な空の下で、調査を行います。

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澄んだ空気に快適な気温、綺麗な景色、調査していて、心が癒されていきます。

さて、この日はいろいろ調査すべき項目があったので、急ピッチで作業を済ませ、次なる目的の岩手県側の八幡平に向かいます。

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岩手県側へ向かい、走行している途中、八幡平山頂付近で、気温がなんと0℃になってしまいました。流石、亜寒帯。

 

この山には岩手県の雫石の方へ向かうトンネル等がないので、ぐるーっと八幡平を大回りし、1時間近くかけて雫石に到着。

今回は、あみはりロッジさんに宿泊しました。

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あみはりロッジの管理人の夫婦がとてもやさしい方で、調査が長引いて到着が遅くなってしまった私たちを気遣ってくれたり、八幡平や岩手山に関する色々なお話を聞かせていただき、心まで温かくなりました。

 

次の日は岩手県側で調査を行います。

続く!

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