インドに住むことになった話(エアインディア編)
タイトルまんまである。
諸般の事情で当面インドに住むことになった。
夢にも思っていなかった。
まさか自分が行くことになるとは。
こちらも諸般の事情があり,決まってしまったからには,泣いても笑ってもインドに行くしかないと即腹を括った。
ちなみに心の中では,「行ったことないけど,まあ,インドってBRICsの一員だし,今まで長期でベトナムとかエジプトとか発展途上国経験もまあまああるし,余裕っしょ。」と思っていた。
別記事で述べるが,その余裕は秒で消えることとなる。
因みに,両親に伝えたところ「死んだら現地の人に頼んでガンジス川に流してもらうから」との言葉を頂戴した。
そして,着々と仕事の引き継ぎなどの準備や腸チフスやらA型肝炎やら日本ではまずお目にかかれない病名のワクチンを10回以上打ち,ワクチンの専門医から「インドですか。着任してから半年は病気ばかりで使え物にならなくなりますからね,覚悟しておいてください」と脅されつつ,2023年1月某日,成田空港に爆着。
渡航に際し航空会社をこちらで選ぶことができた。選択肢はJAL,ANA,キャセイパシフィック,エアインディアで,自身は一番面白そうなエアインディアをチョイスした。
成田空港のエアインディアカウンター
早速,インド人達が行商人の如く大量の荷物を持ち込んでおり,何やら係員と揉めているためこの少人数で1時間以上待たされる。出国前にして一抹のマサラ感(インドっぽい雰囲気)を味わう。
因みに,インド国内外への出張で同様の光景をこの後10000回以上見ることになる。
その後は,カードラウンジなどで時間を潰しつつ時刻通りに搭乗・出発。巷で噂されているような5時間とか10時間とか遅れることはなかった。
無事に離陸し,ドリンクサービスが速やかに始まる。自身は空の上では水以外はビールかコーラしか飲まないので,すかさず「コーラ」を選択。しかし,ここで思わぬマサラ感を体感してしまう。
CAさんが持っていたコーラはこちら↓
「👍」じゃねぇよ。誰だお前。サムズアップというインドオリジナルブランドのコーラ *1が登場し,度肝を抜かれる。
驚きに反し,味はスパイシーなコーラといった感じで普通に美味しくいただいた。
さらに,機内食は「ベジ」OR「ノンベジ」という2択のみ。
CAさんに「ベジ」OR「ノンベジ」聞かれても理解が出来ず,5秒ぐらいフリーズしたものの,今回は恐らく肉が入っているであろうノンベジを選択。
チキンとオクラのカレーと謎のプリン。
オクラのカレーは人生で初めて食べたが,かなり美味。最初は「カレーにオクラっすか。。」とゲンナリしていたが,1口で感動した後はもりもり完食。
インドに行く機会がなければまず一生縁のなかったカレーだろう。
謎のプリンは甘いお米のプリン。残念ながら体が食物と認識しなかったため,1口でそっとトレイの上に戻した。
そして,なんやかんやタブレットに鬼のようにDLしたネトフリの水曜どうでしょうを鑑賞するなどして時間を潰し,無事にインドに到着。
真冬のデリーは想像を絶するスモッグに包まれており,航空機のドアが開いた瞬間,機内は悪臭に包まれた。マッチで火を起こした時の匂いに近い。
その後は悪徳な入国審査官や両替商に会うこともなく,無事に入国。
数々の先人達のような強引な客引きやチップを要求してくる悪徳な人間などもおらず,無事に社のドライバーさんと合流。
「SUZUKIの車ばっかりやんけ!*2」とツッコミながら無事にホテルにチェックイン。
ホテルの室内でも悪臭は止まらず,ずーっと鼻と喉に違和感がある。くせぇ。
室内には南京虫などもおらず。素敵なホテルのスタッフさんや現法の人がかなりサポートしてくれたおかげ(100%)で,インターネッツや本などで見たマサラ的なトラブルが何一つ起きずに就寝。
一人だったら今頃ガンジス川に流されていたあろう。
しかし,翌日,ホテル近辺はマサラ感に溢れていることを思い知るのだった。
因みに,この後半年間で2回の入院と10回の発熱,そして数え切れない下痢に襲われるとはまだ微塵も思っていなかった。