ドイツの寝台特急「カノープス(CNL459)」に乗った話
2015年7月、当時、ドイツのハイデルベルク大学に留学していた僕は、大学の休暇を利用して、ベルリンに遊びに行く計画を立てた。
その時、利用したのがドイツの寝台特急、シーティーナイトの「カノープス号」である。
Sparpreisという格安料金にBahnCard25という割引カードを利用して、36ユーロだった。
ハイデルベルグ中央駅。電光掲示板には二つの列車の名前が。一上のBerlin-Lichtenberg行きが僕の乗るCNL459便、通称カノープス号である。下は、カノープスに連結されている夜行特急で、途中で切り離され、チェコの首都のプラハまで行く。
23:30、定刻通りカノープス号が入線してきた。
今回は6人部屋を選択した。(3人用のベッドが2つ並んでいる)
途中の駅での放送はなかった。
急行きたぐにの三段ベットとも違うが、ロシア号や中国などではよく見かけるタイプ。
これが私の寝床
欧米の体格のでかい人用に作られている為か、日本人かつ、小柄な私にはゆったりと感じることができた。そして、寝心地はよかった。
そして、決して新しくはないが清潔で、満室ではあったが、同乗者たちも静かであった為、快適であった。
快眠度:86/100
車内の様子。換気装置が機能していなかったので、少し寝苦しかった。
この列車は、途中、いくつかの駅に止まっていく。ワクワクしてなかなか寝付けなかった私は、そのたびに車外に出て、新鮮な空気を吸った。
フランクフルト南駅(00:55)
ゴッチンゲン駅(03:55)
ゴッチンゲンの後は爆睡。起きたのは、07:00のアラームであった。
その後、ポツダム駅やベルリン市内の駅をいくつか経由し、ベルリン中央駅に到着。
同乗人とはこんばんは、おはよう以外は話さなかった。
因みに、留学中は10回ほどの夜行列車を含め、何十回と列車に乗った。しかし、いろんな旅行記によくある「同乗者と仲良くなる」っていう事はドイツではあまりない。1度、北ドイツを旅した時にあったきりである。
(ロシアで列車に乗ったときやアメリカのアムトラックでは頻繁にあったが。)
せっかくなので、先頭車まで行ってみた。
ハイデルベルグからベルリンまで8時間近くの旅だったが、寝台特急ということもあり、非常に快適に過ごすことができた。
今回は、SuperPreisという事前購入する変更ができない切符で、なおかつ、BahnCard25という最強割引カードを使ったので、36ユーロ(約5300円)という破格で購入するができた。これは同じ時期・同じ距離を16時間で走る高速バスの46ユーロという値段よりも圧倒的に安い。しかも、横になれる寝台特急がこの値段。
なお、BahnCard25なしのSuperPreisでは6人寝台は49ユーロ。なんと、普通の座席車なら29ユーロである!本当に安い。
しかしながら、普通運賃は6人寝台で139ユーロ(約18000円)と高めに感じる。
しかし、距離はおよそ580km。大阪~東京のおよそ550kmを似たようなダイヤで走っていた急行銀河号はB寝台利用時で16000円、通貨の変動により、変わるが、そこまで高くはない。
日本は、高速バスや格安航空との競争をあきらめたへなちょこ鉄道会社ばかりなので、寝台特急はもはや金持ちの道楽ぐらいでしか残っていない。一方、列車の定時運行への努力はいまいちだが、高速バスに打ち勝とうと努力を続けるドイツバーン。
鉄道の保守とか背景とか色々違うのかもしれないが、カノープス号が平日でも満席で、(CNLからNJに便名は変わったものの)今もなお走っている事を考えると、もう少し日本の鉄道も何とかならなかったのかなと感じる。
このカノープス号、安いし、便利だし、かなりおすすめの列車なので、是非とも使ってみてはいかがでしょうか。