南西諸島に自生しているシークワーサーと我が家のシークワーサーの話
南西諸島というのは面白い植物の宝庫なんです。個人的にはかなり興味がある場所でして、私自身も南西諸島の植物と菌の群集と土、この3つの関連性を調査している。
その中で、もちろん、植生調査を行うんだけど、時折「んなんじゃこれは」というような植物を見つける事が在る。ミカン科ミカン属のシークワーサー(Citrus depressa)もその一つ。
先述の沖永良部島の他にも沖縄本島や奄美大島、宮古島、西表島の林の中でも普通に自生してる。自生しているんです。柑橘類というと、やっぱり、栽培を思い浮かぶかもしれないけど、私自身が調査した南西諸島では普通に自生している。
沖永良部島のシークワーサー
因みに、南西諸島には、自生しているミカン科ミカン属の樹木はシークワーサーとタチバナの2種と言われているんだけども、大東諸島のタチバナ以外はシークワーサーなんじゃないのと言われていたりもしてる。
因みに、ミカン科の仲間であれば、ミカン科アワダン属・サルカケミカン属・ハナシンボウギ属・サンショウ属・ゴシュユ属・ゲッキツ属などの樹木が確認されている。
(参考文献:「琉球の樹木」大川智史著 文一出版)
サルカケミカン属の木は基本的に物凄いトゲトゲがついたつた状の木で、調査の時によく邪魔をしてくる。なので、琉球で植生調査をやっている人にはあまりいい印象を持たれていないと思う。
因みに、シークワーサーというと「ヒラミレモン」の別称がある通り、”酸っぱい”イメージがあるんだけど、オレンジ色になったものは普通に甘い。結構いける。でも個人的には香りが落ちてる気がしなくもない。
ところで、私の実家(愛知県)では、私がガキンチョの頃に沖縄の物産店で購入したシークワーサーを食べた残りから種を取って、その種からシ栽培している。
シークワーサーと言えば南国の植物、なので、愛知県じゃ生きていけないのではと思ったのだが、意外にかれこれ8年ほど生き続けている。
しかしながら、那覇の柑橘農家の方に見せてもらった10年物のシークワーサーの木と比較すると小さく、あまり元気も無い様子。
我が家のシークワーサー
寒さで枯れないのは海沿いなので、案外霜が降りずに気温が高いからか?と推測。黄色くて元気がないのは鉢植え栽培なので、窒素・リン・カリが圧倒的に不足しているのが原因のような気がする。とりあえず、三大栄養素と必須多量元素を注入してみようと思う。